出版社/著者からの内容紹介
レビュー以下はBOOK1と同内容です。
ここではBOOK1とBOOK2の違いをお知らせします。
【低学年と高学年の指導の違いは】
(BOOK1・BOOK2に関して)
低学年の子どもたちは,楽しんで英語活動をしていますが,高学年の子どもたちは,歌やゲームなどになかなか乗ってくれなくなるときがあります。そんなときにはどうしたらいいでしょう。
英語活動を一斉に始めた当初は,どの学年の子どもたちも,その目新しさである程度満足するものです。しかし,そのときの3年生が5年生になり,6年生になると,前にやったのと同じような活動では飽きてしまいます。とりわけ高学年は,活動そのものが幼稚な場合,まったく興味を示さなくなります。
英語活動を行う場合,それぞれの学年の子どもたちが,どんなことに興味・関心があるのかを考え,その学年に応じた活動を心がけることが重要です。英語に触れた経験にあまり差がなくても,1年生と6年生とでは,興味・関心の対象は大きく異なるでしょう。子どもたちの成長段階を考えることによって,低学年から高学年まで,それぞれが楽しめる英語活動が生まれます。
【学年の興味の違いを知った英語の授業を】
【低学年】は,「音」に興味を示します。語られている英語の意味よりも,英語の珍しい音を聞いたり言ったりすることで,多くの子どもが満足します。歌や絵本の読み聞かせなども効果的ですし,体を動かす活動にも興味を示します。【中学年】は,聞いている英語の内容を知りたがります。ですから,何を言われているのか考えるクイズ・ゲームなどが効果的な活動だといえます。3つのヒントを出して,それが何かを考える three-hint-quiz や,聞いたことを絵にかいたり体で表現したりするゲームは,中学年にふさわしい活動と言えるでしょう。【高学年】になると,急激に知的好奇心が高まり,ほとんど大人と同じようなことに興味を示すようになります。ですから,「日本語でやってもおもしろい」と思えるような内容を盛り込む必要があります。大人の目線だけで判断するのでなく,高学年の子どもたちの興味・関心の対象が何か,いつもアンテナを張っておきましょう。
【高学年には、知的レベルを上げた活動を】
しかしながら,年間20~30回の英語活動を,2年なり3年なり経験した高学年の子どもたちも,英語の運用力自体は,それほど高くありません。ですから,英語そのものを学年の進行に合わせて難しくすると,活動内容すら理解できなくなります。低学年や中学年で触れたことのある英語を使って,活動内容の知的レベルを上げることがコツです。(※レベルの上げ方のケースは以下に示しました。)
【「色」を使った指導のケース -低学年と高学年の違い-】
例えば,同じ「色」を扱った活動でも,【低学年】では,色を見せて色の名前をたずねる活動,【中学年】では,混ぜたらどんな色に変化するかをクイズにして,実際に色を混ぜる活動,などが考えられます。さらに,【高学年】では,色とイメージを結びつけて,「春は何色?」「今日の気持ちは何色?」などをたずねる活動もできるでしょう。
どの活動も,"What color is this? What color will it be? " "What color is your heart?" など,あまり難度に変化のない英語で対応できます。子どもたちに期待する答えも,色の名前だけです。「JUNIOR COLUMBUS 21」のBOOK1には,「Colors 色がいっぱい」「What colors can you see? どんな色が見える」,BOOK2には,「How many colors does this flag have? 世界の国旗」というUnitがあります。どれも色を話題にした活動ですが,学年に合わせて,内容の知的レベルをだんだんに上げています。同じ英語を使って,内容に変化をつけるヒントにしてください。