出版社/著者からの内容紹介
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【発音よりも意思の疎通を大切に】
小学校英語活動の目的は,英米人のように発音できる子どもを作ることではなく,英語を使ってコミュニケーションできる子どもたちを育てることにあります。ネイティブを目指した発音練習だけに終始する英語活動は,英語の音が出せるオウムを育てるのと同じです。それよりもっと大切なことは,英語を使って意思の疎通を図りたいと思う子どもをたくさん育てることです。もちろん,付属CDも,英語活動の際に大いに役立ちお勧めします。
もし,活動の一部に発音練習の部分があれば,CDを活用しながら活動を行ってください。 先生(ご家族)自身の発音も,知らないうちによくなるはずです。「JUNIOR COLUMBUS 21」の指導CDは,先生(ご家族)方が英語を使って活動を進めるための練習用として作りました。
【思い切って英語で語りかけてください】
指導書は朱書き形式で,赤字で書かれた英文をそのまま子どもたちに語りかけるだけで指導ができるすぐれもの。CDは,練習用。CDスクリプトには,先生(ご家族)と子どものやりとりも収録。先生(ご家族)も、少し経験すればコツがつかめる指導書です。なかには,ご自分の英語力に不安をもたれる先生(ご家族)がいるかもしれませんが,「JUNIOR COLUMBUS 21」の指導CDには,活動を進める際の発話のモデルを収録しました。発音の確認はもちろんですが,聴いているうちに,明日からの授業のイメージもわいてくるはずです。
どうか自信をもって,子どもたちに英語で話しかけてください。車の免許と同じでちょっと不安でも運転しないとうまくなりません。若葉マークは1年目だけ。
【小学校英語では「類推」がキーワード】
「JUNIOR COLUMBUS 21」には,興味深い写真や絵が数多く載っています。これらを指差したりしながら英語で話しかけることで,子どもたちは,その意味を「類推」することができるでしょう。
"Where do you live?" という質問に子どもたちが反応できなかったら,"I live in Yokohama." "He lives in Tokyo." と言ってから,"Where do you live?" ともう一度たずねれば,きっと半数以上の子どもが,自分の住んでいる場所の名前を言うでしょう。そうなれば,何人かに同じ質問をするうちに,全員が質問の内容を理解でき,必然的に同じ英語を使って,同じ質問を繰り返すことができます。このような工夫があれば,先生(ご家族)も日本語を使わなくてもすむはずです。また,英語で質問をしたとき,子どもが質問の内容を理解できない表情をすると,次に,その英語をゆっくり話そうとする方がおられます。でも,わからない英語は,ゆっくり話しても一語一語発音しても,わかるものではありません。提示するものを用意したり,質問のしかたを工夫したりすることで,子どもたちにとって「わからない英語」が,「わかる英語」に変身します。
【「聞くこと」が大事にされるべき】
乳幼児が母語を習得するとき,じっと言葉を聞きながら,体の中にその音をためていく時期があります。コップに水を入れて,そのコップに水がいっぱいになった後,自然に水がこぼれだすように,言葉も,ある程度の量がたまらないと自然にはあふれだしません。小学校英語活動は,これと同じく,音を聞いて体にためる時期と考えていいでしょう。「聞くこと」を最優先した活動が求められます。目先の結果を求めて,すぐに言わせようとしないことこそ,先生(ご家族)方が心がけるべき点です。もちろん,子どもたちは先生(ご家族)が言った英語の中から,多くの語句を聞き取り,それを自分でも言ってしまいます。これは,言わせているのと違って,子どもたちの自発的行為ですから,自由に繰り返させておいていいわけです。
【受信型のコミュニケーション能力を養う】
communication という英語は,日本語訳が見当たらないので,カタカナで「コミュニケーション」と表記されます。英語の辞書で調べてみると,もともとの意味は「to share」と書かれています。人と何かを「分かち合うこと」という意味です。最近,小学校の英語活動では発信型のコミュニケーションを目ざそう,という言葉を耳にすることがありますが,それ以前に受信型のコミュニケーション能力を養う必要があります。英語を聞いて理解できたという経験を十分に積ませることをまず目ざしましょう。
【9歳の壁】
言語学習では「9歳の壁」という言葉がよく使われます。9歳までは,聞いた言葉を理屈抜きに覚えてしまうのに,それを過ぎると,頭で考えながら理解しようとする傾向が出てくる。もちろん個人差もありますが,ふさわしい時期があるということでしょう。小学校の子どもたちは,音声だけでも何も不安を感じないで活動をします。耳にした英語を自分でもためらいなく発し,自然に英語の音を記憶してしまいます。彼らは,「音の違いを識別し」「その音を模倣し」「音を記憶する」力に優れているのです。大人が得意とする「読み書き」中心の活動ではなく,子どもたちのもっている力を生かす「音声中心」の英語活動が行われれば,小学校英語活動は英語学習としても大きなメリットと言えるでしょう。
【子どもたちの学ぶ力を信じて待ってあげることです】
英語に対する評価というと,つい,「英語でやりとりができたか」とか「いくつ英語が言えたか」とか,話すほうに目が行きがちです。ですが,英語を口にしなくても,先生(ご家族)の英語を聞いて,何かを作ったり調べたりできたのなら,「英語を聞く力がついた」という大きな成果を得たことになります。
【付属CDを聞くだけで教え方がわかります】
英文スクリプトも付いています。CDには,すべての教材に登場する単語と発話例を収録しています。日本語による《指導のポイント》と,それに沿った《英語の発話例》《単語》を示しました。《発話例》 は,そのまま教室や家庭で使えるよう,先生(ご家族)と子どもたちのやりとりの形で示してあります。あまり英語に自信のない方でも,不安なく教えることができます。
【授業計画の立て方も指導書前書きにくわしく示しました】
指導書の前書きには,テキストの構成や教材配列一覧に加え,教材ごとに授業計画例を書きました。計画例には,【取り上げる単語】【使用する英語表現】【活動の手順】に加え,授業活動をひろげるヒントとして,【参考】【こんな活動もできます】が付いています。